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2009/10/07

日本語の「音」について考えてみた。

日本語の音は「ん」を除き、全て母音と子音から成る、いわゆる50音(正確には、濁音、半濁音、拗音を入れるともっと多く)で表され、母音の種類は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」の5種類とされている。(拗音は子音の一部とみなされる。)実際の発音では、さらに多くの種類の母音が発声され、また欠落する場合もあるが、日本語においては同じものとして表記される。

一般的に「あ行」の音、つまり「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」には、子音は無く母音だけの音と言われている。ところが、実際には子音(の性格をもつもの)を伴っていると思われる。以前に録音されたナレーションを分析してみると、息継ぎの後、最初に発音される「あ行」の音の波形は、それが発声される瞬間にそのエネルギーがピークとなる(瞬間的に大きな音になる)ことがわかった。これは、明らかに発生時に破裂音となっているということであり、破裂音は子音に分類されるものである(k、t、b、d、pなど)。すなわち、「あ行」の音は、息継ぎの後最初に発音される時には、子音を伴っているということになる。
実際に、意識して「あ」と発音してみると、喉の奥、気管のどこかで空気が止められていたものが、発音される瞬間に開放されて、破裂音となっていることがわかる。

フランス語やスペイン語では、日本語で言うところの「あ行」の音のスペルに、hがつくものがある(Hermes、Holaなど)が、これも「あ行」が子音を伴っていることを示しているのではないか。
一方、単語の途中など、息継ぎ直後でない場合については、「あ行」の音に破裂音を伴わない場合が多いが、この場合は、「あ」、「い」、「う」、「え」、「お」が単独で存在しているというよりも、先行する音につながる二重母音または長母音を形成していると推測される。尚、実際には、長母音になっている部分は、音の高低で別の音に聞こえるように発音されるので、それぞれの音は区別されて聞こえるようになっていることが多いと推測される。
話し手の意識次第では、一呼吸で話される場合でも、各文節の頭に破裂音を伴うこともあるが、二重母音化、長母音化している場合が多いように思われる。

制作部 中山

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