ご無沙汰しております、宝島です。
教授が生徒達に問いかけた。
「このテキストのblue skyの意味がわかりますか?」
生徒達は、質問の意味が分からず困惑した。
教授は、一休さんがとんちを解くように語った。
「この文章はカリフォルニアが舞台なので、描写されているblue skyはカリフォルニアの抜けるような空のことであって、君たちの思っている青空なんかでは決してありません」
その頃カリフォルニアはもちろん、外国にも行ったことがなかった。
空気が乾燥しているカリフォルニアのblue skyの青さは、湿度の高い日本の青空とは全然違うということだった。しかし教授は単に自然の法則を教えたいのではなかった。
背景知識や想像力が不足していると本来の意味からかけ離れてしまうこと、日本語に変換した瞬間にどんな短い単語でも語義が劣化することを教えてくれた。
教授は最後にこう言い放った。
「英語を本当に理解したかったら文法だけでなく、色々な知識や経験を積むことが必要だ」
小太りで長髪の似合わないオタク風の中年教授は、授業時間は少しだけ格好良かった。
4年後、僕はオーストラリアで真珠養殖のバイトをしながらblue skyというものを知った。
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